はじめてのこと

それは、何者でもなく迎える4月1日。

私は、これまでいつも、どこかに属していた。各種学校、会社。
浪人も留年もしなかったので、空白の期間はなかった。
しかし、今年のこの日、わたしは純然たるぷーである。

今年の桜も、とても美しかったけれど、
そこから沸き出でる感情は、少々複雑だった。
いつもならば、ひとつの区切りの時として襟を正し、
新しい出会いや環境への期待や不安へ胸を膨らませる。
けれど、今年はなぜか、目を背けたくなった。
何も始まらず、曖昧模糊とした自分の今の状況が、
納得ずくなのだけれど、なにやら息苦しい。
私だけが、取り残されている気さえする。

ささやかな救いがあるとすれば、
明日は一応仕事をするということか。面接があるので。
勉強もしているし、ささやかながら成果物も残している。
状況も動こうとしているのに、どうしてだろう、先が見えないような気がするのは。
それはやはり、「寸暇を惜しんで頑張る自分」が「暇にまかせて堕落する自分」に
駆逐されぎみな現状を、恥じる自分ゆえなのだろうけれど。
自分を律するのは、難しい。


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