あのころの激情は

バーベキューから帰ってきて昼寝しすぎたせいか、アジアカップ三位決定戦を通してみて結構ぐったりだったはずなのに眠れない夜。なむさんと起き上がると、いつ何時も3秒でお休みなさいの夫がめずらしく「寝れないの?」と声をかけてくる。

しょうがないねと起きだし、普段できないことをしようと言って、ひかりONEのテレビコンテンツで無料配信中の新世紀エヴァンゲリオンの第1話・第2話を見ることにした。私はエヴァには結構ハマったクチで、最初は本放送の半年後くらいにあった総集編を見たのだけど、このビデオはこれまで何度繰り返してみたかわからない。映画にも行ったし、最後のやつは2回観にいった。ちょうどその年は大学4年生で、暇なはずないんだけど漠とした時間に満ちていて、しかも就職の決断についての疑いや不安、卒論へのプレッシャーや大学生活の終わりが見えた淋しさや、とにかく情緒不安定を生み出すネタには事欠かず、自分の妄想と作品世界とを重ねてぐるぐると考えていた。あの頃何を思っていたのか今となっては霞の向こうにあってよくわからないのだけど、自分と関わるひとの存在が最後の最後では支えや喜びではなく恐怖であり爆弾であると思っていた私にとって、感じるところが大きかったのだと思う。

そして10数年後の今。物語としてはやはり面白いけれど、登場人物の心の中までには、まだあまり潜って行けない感じだった。この先を観るのか。秋に公開される映画は観にいくつもりなので、それまでにとは思うのだけど、現実生活に負けそうな予感。