一喜一憂

奇妙な扶養家族、ジャンガリアンハムスター(約2ヶ月)の話。

彼が我が家にやってきて2週間。私は地道にこの小さな生き物に振り回されつづけている。

商売道具の指を噛まれて流血し、夜は回し車の音に何度も目を覚まし、デジタルはかりや(彼やえさの重さをはかる)、最高最低温湿度計(ハムスターは適温の幅がせまい。18度〜28度くらい)といったアイテムが増え、匂いで彼の排泄までもわかるようになってしまった。

最近は私の仕事が忙しく、帰宅も午前様でお腹をすかせっぱなしだったにもかかわらず、なんとはなしに仲良くなりつつあった。手に乗ってエサをたべてから散歩にでかけるようになっていた、のに。

今日は何だかそわそわ落ち着きが無くて、どうしたと思いつつエサをのせた手をだしたら、猛烈にがぶりと噛まれる。血こそ出なかったけど、思わず振りほどいてしまう。散歩を終えてゲージに戻すと、猛烈な勢いでエサを食べ始める。いつもなら口をつける程度で巣に戻ってしまうのに、今日はいついつまでも食べつづける。落ち着きもなくて、動きもせわしい。しかもさらにエサをねだるので、乾燥りんごのカケラをやると、一心不乱に食べつづけた。

まぁあれだけ食欲があるから、病気だとしても死にはしないと思うけど、ちょっと今日の様子はおかしい。地震で野生の本能が揺り戻された?それとも単にご機嫌ななめ?

どうやら彼の夜の活動がはじまるらしい。ゲージの隅でスタンバイしている。彼は電気を消してしまわないと動き出さないので、私の夜更かしもかなり少なくなり、電気スタンドをつけっぱなしにする夜もなくなった。

自分の好き勝手するために、努めてひとりで暮らしてきたというのに、なんだかこの有様は。でも、この共に住む生き物のために心を砕くのも、今はそんなに悪くない。