妹からの電話

日曜日のこと、うつらうつらしていると、めったに鳴らない固定電話が鳴りました。なむさん、と起きて電話にでると、妹でした。開口一番、

「○○(←本名)ちゃん、わたし今日入籍したけん。」

はぁ、入籍。ほう、入籍。ぼやぼやした頭で、しばし、取りとめもない応答をしてました。身内の入籍って、こんなある日突然ぺろりと報告されるものなのでしょうか。いや、今年中には入籍するつもりだとは聞いていましたが、不意打ちでした。しばらくして、やっと、「おめでとう」と言うことができました。

よく考えると、彼女に対して祝福の言葉をかけてあげられたのは、このときが初めてでした。結婚するという話を聞いたときも、結婚式の日取りが決まったときも、「はぁ、そーですか。」としか言えずにいたのです。何というか、失礼な話なのですが、現実味がわかなかったのです。結婚の話そのものが、突然言い出したことで(昔からの知り合いらしいけど、付き合い始めて1ヶ月とか2ヶ月とかでそんな話になった)、本当に結婚するんですか〜?と半信半疑でいたのですが、彼女は本当に結婚してしまいました。

いざ現実に直面して感じたのは、さみしさでした。彼女は、「何も変わらんよ〜」といいましたが、それは違います。彼女はもう、私たちだけの家族ではないのだなぁと。新しく、そして最も近しい「家族」となった、彼女の夫へのやきもちなのでしょうか、残された者の切なさなのでしょうか、私はそんなに妹に執着などしていたはずもなかったのに。何とも不思議な、これまでに全く感じたことがない気持ちに、私は戸惑い続けているのです。